先日こんな記事を書きました。
monkey1119beyond.hatenablog.com
この記事の中で、ついつい勢いで「見せたい映画を持ってるんだから貸さないほうが悪い」と書いてしまい、だったら貸してやるわい、ちゃんと観ろや!!ってなりまして。
先日ドドンとオレに見てほしい映画、その数21本!!を渡されまして。
多し!!
おおおおおし!!!
という流れになりました。
まぁ相変わらずの拙い文で時に感情的に時に部分的に書いてますが、どれも観てよかった作品でございました。
一応核心には触れてないと思いますので、ご興味あればご鑑賞を。
てなわけで、かなりのハイペースで鑑賞した21作品を簡単にレビューします!!
- 日本の夜と霧
- 追跡者
- ダーティーメリー・クレイジーラリー
- 豹(ジャガー)は走った
- みな殺しの霊歌
- ウォーク・ハード~ロックの階段~
- D.N.A.-ドクターモローの島ー
- 怪談
- 十一人の侍
- 家
- 暗殺
- 人生劇場
- バニシングin60
- 十三人の刺客
- 野獣死すべし
- 反逆児
- 影なき狙撃者
- 大殺陣
- 遠すぎた橋
- 斬る
- 大人は判ってくれない
日本の夜と霧
安保闘争で絆を深めた二人の結婚式に、未だ学生運動を続ける若者が、行方不明の同志の行方の鍵を握る新婦を問いつめていく。
やがて新郎と同世代の仲間たちも、当時自殺した同志の原因を追求していき、自体は暴露合戦へと発展していく。
安保闘争とか学生運動とか僕にはさっぱりわかりません。
しかしこの映画は、1つのシーンをワンカット長回しで撮影し、しかも役者がセリフを噛もうが言い直そうがお構いなしの、ぶっつけ本番的な作りになっているんですね。
また、せっかくの結婚式なのに、何でこんな場所で学生運動に対する抗議から、過去の女問題など次々と言ってしまうのか、などなど見所は満載なのであります。
日本の夜と霧なんてかっこいいタイトルでなく、僕から言わせてもらえば「こんな結婚式はイヤだ!」です。
そして見終えた後抱いた気持ちは、ずっと話を摩り替えて自身を肯定し続ける結婚式の司会者でありかつての学生運動の中心人物・中山をマジでぶん殴りたいと思ったこと。
学生運動は一時期暴力で訴えていた。
これまでさんざん意見を言えば、それは我々に対する侮辱だ!とか言って、さまざまな角度から物を言わせない空気を作ったことで一人の男を苦しめた。
時代は変わり、話し合い歌と踊りで訴える流れに。
そんなやつがコロッと時代に流され、女と歌って踊って戦おうという硬派から軟派へと様変わり。
しかも仲間の女をも奪い、あーだこーだいっときながら結局は女の体しか頭にない。
で、自殺した男を追い詰めたのはお前だ!と決め付けられるんだけど、お得意の理論武装から話をスライドさせ時代が悪いとか国が悪いとか持っていくですね。
お前とりあえずここは詫びいれろよ、自分でもわかってんだろ、と。
何がえらいってね誰もこいつを殴ろうとしないところですよ。
一人くらいいてもよかったと思うんですけど、ちゃんと言葉には言葉で返す。
俺の知らない世界w
あとね、今ではレジェンドな俳優さんたちが勢ぞろいしてますが、全員セリフを噛みます。
当然です。セリフ超長いし、しかも長まわしだし。
あ~この人はさすがに噛まないだろうと思っていた佐藤慶も最後に噛んじゃうんですもの。
ドンだけ緊迫した現場なんだw
こんな見方だと間違ってるかもしれませんが、悪くない面白さです。
追跡者
ある町で酔った勢いで町を荒らし、その結果老人を誤射し殺してしまったと権力者。
その権力者に法での裁きを下すためにやってきた執行官と、いくら罪を犯したからといっても彼がいなければこの町は終わると思っている住民たちとの軋轢、そしてかつての恋人と心を通わすことで、これまで法こそ全てと考える男が赦すことの大事さを理解し始めるが・・・みたいなお話。
僕は西部劇といえば銃撃戦だと思っていて。
もちろん人々のドラマ描写も大事なんだけど、銃で打ち合いまくって渋い顔でツバ吐く、みたいなヒーローモノでないと正直見たくないって気持ちがあります。
そんな僕はやはりこの映画は苦手でした。
銃撃戦といえばラストにあるくらい。それ以外は緊張感はあるものの早撃ちで一瞬。
ドラマ描写も主人公がまぁ頑固でどんな取引にも応じないし、銃は絶対先に抜かない。あくまで自己防衛として銃を抜く徹底ぶり。
心の揺れみたいなものがほとんどなく、お前鬼か!と。
でもって主人公が強すぎ。
ドラマ要素というと、のらりくらりでいる保安官と、町のボスのほうが人間味があるし、話が進むことで様変わりしていく姿があり、こっち目線で見ていたほうが面白かったかもと後々思いました。
どうやらイギリス人が作ったアメリカ西部劇ということで、当時のアメリカを批評した映画なんだとか。
法を守る者と法を犯す者のそれぞれの視点を交互に描き、結果人は死んでしまうという矛盾を指摘しているのか。
銃を抜かれたから銃を抜く。それ以前にもっとできることはあったろうに、ということを言っているのか。
それにしても面白くなかった・・・。
ダーティーメリー・クレイジーラリー
スーパーの支配人の自宅へ侵入し、家族を人質にとって店の金を身代金として奪い、その金で夢見ていたレーサーになるべく、希望に向かって車を走らせた男女3人の逃亡と、俺のシマで勝手なことは許さん!とヘリや改造車まで出動し彼らを追い詰めていく、アメリカン追いかけっこムービー。
これは面白かった。
逃げる3人のキャラ設定がきちんと分かれてて、どいつも負け臭が漂うんだけど、あ~早く金持ちになりてぇ~!!みたいなむき出しの欲望よりも、余裕綽々な姿で寄り道したり、立ち止まったりで、なんかお気楽極楽な感じが楽しそうでいい。
特にスーザンジョージ演じたメリーのキャラが、小憎たらしくもあり、過去を知ると同情してしまう、しかも男2人相手に対等で渡り歩くクレバーさも持っている、なかなかの存在感。
2人で逃げようとすると、メリーが強引に乱入し付きまとう。
ひたすらわめくし、腕は噛むし、彼氏を小ばかに扱うし。
途中事故を起こしたりして足踏みしたり、店に置き去りにしようとするとちゃっかり車から地図を持ってきていて一枚上手なところもあって、序盤はなかなか鼻につくんだけど、それでも彼氏のラリーはヘラヘラしてるんもんだから、いいじゃん旅は道連れってやつだよ~みたいに状況理解してるのかしてないのかあたりのバカップルさ加減が楽しい。
そしてなんといっても見所なのか、ラリーたちが乗るダッチチャージャーVS改造車パトカーとのクルミ林でのデッドヒートと、その後追走するヘリコプターとのガチンコチェイス。
後ろからごっつんこしたり、ダートコースで煙を巻き上げて失踪する2つの車に思わず前のめり。そしてヘリコプターとのチェイスも、ヘリコプターの足で車体の上をツンツンついてはハンドルをとられる激闘がアツい。
これ以外にもパトカーがラリーを見つけては追いかけるんだけど、見事に負けて大破する場面も迫力満点。
エンジン音の心地よさも手伝って緊張と興奮が押し寄せるこのシーンは、これまで余裕ぶっこいていたラリーたちもさすがにタジタジ。
これらを振り切って勝利を確実にした彼らの笑顔は、まさに希望に満ちた瞬間に見えます。
アメリカンニューシネマと位置づけられたこの作品。ラストはお決まりのアレ。
しかしこれまで見たニューシネマの作品の中でいちばんの唐突さと、スローモーションで描かれる爆炎は、若干の爽快感と大いなる儚さを持ち合わせており、若者たちの反逆的な行動からの突然の終止符は、記憶に残るシーンとなりました。
まぁ~あれですよ、これは男の子必見ムービーですよ。
マジで楽しいし最後衝撃過ぎて笑っちゃうんで。
豹(ジャガー)は走った
クーデターにより大統領の座を追われ、アメリカへの亡命をするために来日した彼を、革命政府の手から守るため、射撃の元オリンピック選手の主人公が警察官の任を解かれ特別任務にあたることになった。
そして国を支援していたものの、友好とビジネスは別と割り切り、革命政府と裏で取引をたくらむ日本の大企業が雇った凄腕の殺し屋との対決を描いたガンアクション映画。
加山雄三、加賀まりこ、田宮二郎といった往年のスターが勢ぞろいした東宝作品。
特に若大将のイメージが強い加山雄三がこういう刑事を演じていたのは新発見。
加賀まりこも若いときはこんなにかわいいのかと。
ベトナム戦争や内戦荒れるアジア諸国を匂わせる背景、日本ではあまりなじみのない殺し屋という設定、そして鎖を解かれたシェパード対狼の壮絶なガンシューティングなど、大まかな設定ややりたいことってのはものすごく面白いんだけど、どこかまぬけ。
例えばどちらも腕はいいんだけど標的を間違えてしまう件では、もっと失敗したことへの反省とか後悔を描いてもいいのだけれどクールに装う。
これ殺し屋ならいいとして警察側の方はもっと熱血的な男にして対照的にしたほうがおもしろかったのでは?と。
ほかにも革命政府の手下が大統領を狙うも、加山雄三に見事に撃たれて自爆するシーンも唐突で、どう見ても人形なのがこのシリアスな物語にノイズに感じてしまう。
また殺し屋とアメリカ人女性のロマンス描写もなんというか。
とりあえず流暢に英語をしゃべる田宮二郎って構図がまたシュールに思えてしまい、アメリカ人女性も悲しい過去があるとはいえ、よくもまぁ簡単に部屋についてっちゃうなぁ、なんて細かいところばかりが気になってしまう。
しかしながらフリースタイルジャズで構成された音楽はかなり気合が入ってる感じがして良かった。
特にクライマックスでの廃工場での一騎打ちで流れる、荒々しいサックスとドラムの入り乱れっぷりが、対決を回避することなどできない宿命を背負った2人の最初で最後の戦いを見事に演出していたし、そのボルテージが最高潮に達した後の静寂がまたたまらない。
ここはお気に入りのシーンでした。
みな殺しの霊歌
有閑マダムたちを情交後惨殺するという事件が連続で多発。犯人の男はなぜ彼女たちを狙うのかを描いた復讐サスペンス。
初めての加藤泰監督作品。
冒頭から荒々しい暴行描写を引いては寄せ、寄せ手は引いて、かとおもいきや被写体を隅に置いたり、ローアングルで映したりと、あらゆる角度で物事を映し出す縦横無尽なカメラワーク。
無音状態やコントラストも加わって、より緊張感が増す冒頭シーンは釘付け。
全体的にモノクロでこの撮影方法で描かれるからスタイリッシュに感じるし、途中流れるスキャットによって哀愁さが一気に画面に染み渡る。
なかなか今の映画では見られない工夫が施されていて感心。
これが加藤泰なのか。
さてさて物語ですが、犯人はただの快楽目的で殺人を繰り替えしているのでなく、ただただ復讐のために突っ走ってるんですね。
そんな彼を気にかける大衆食堂の女性。ぎこちない距離感がまた昭和らしく、早く好きって言えばいいのにー、なんて突っ込めない空気もまた美しい。
ただ後半になると彼女にも隠された過去があり、それを知ることで犯人は少ずつ人間らしさを取り戻していくんですね。
そこで映し出される犯人のこれまでの行動に対しての後悔や苦悩、心惹かれたある人物を失ったことに対しての孤独。
刹那が押し寄せる彼の表情がまたなんとも。
純朴で真面目な奴がなぜこんな目に遭わなければいけないのか。
それは自分の過去にも通じることだったり、今回の事件もそうだったり、そしてほのかに思いを寄せるこの女性にも通じること。
この世なんて神も仏もいないのか。そんなことを感じさせるお話でしたね~。
これパッケージとかにネタバレ書いてるんで、触れようかどうか迷ったんですが、あえてやめました。
殺しの動機ってそんな理由!?って思うでしょうが、いやこれ性別逆なだけですし、そこには愛があったんですよ。ええ。
ウォーク・ハード~ロックの階段~
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幼少期のうっかりが原因で、父との間に溝ができてしまった主人公が、兄の分まで成功すると音楽の道へ進む。
ヒットチャート1位やツアー満員など栄光への階段を上るも、ドラッグや女といった欲望に駆られ挫折の一途をたどる。
音楽から離れ彼がたどり着いた場所は。
主人公の音楽の変貌がまるでロック史をなぞるように進んでいくこの物語は、「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」で久々に民衆に笑いを提供してくれたジャック・カスダン監督作品によるもの。
序盤いきなりブラックな内容で笑うか笑えないかのぎりぎりを突いてくるユーモア描写から、それ何回やんのよwwと繰り返し行われる天丼の数々、2番目の妻となる相手のじらしにじらす誘いの数々にも笑わずにはいられない。
キャストに関して言えばジョンCライリーの歌にのうまさがさすがだし、あの顔で14歳をやる無理さに爆笑。その顔でなぜ女を夢中にさせるんだw
そしてこの映画のすごいところは脇役の豪華さ。
ジャックブラック、ポールラッド、ジョナヒル、クリステンウィグ、エドヘルムズなど今をときめくコメディ俳優が勢ぞろいするし、ジャックホワイト、エディヴェダー、ジャクソンブラウン、テンプテーションズといった大物ミュージシャンもちゃっかり出演。
なかでもエルヴィスプレスリーを演じたジャックホワイトは、ろれつの回らないセリフで笑わせてくれました。
劇中でもプレスリー、ビートルズ、ボブディラン、デヴィッドボウイといったスーパースターをちゃんと出すことで、これがロックの階段だと思わせる豪華さ。
お話に関して言えば、一人のミュージシャンが父親との確執を抱えながら音楽で成功するんだけど、一向に父親に認めてもらえないことや、仕事で家族と離れ離れになりその寂しさを欲望で埋め、結果堕落していくといった、愛に飢えた男の話でした。
そんな彼が懸命に人生を歩み成功をつかみ、一度は堕ちていくけど最期に振り返るとそれは美しい旅路であったことを歌うシーンは、ちょっと涙モノであります。
なんか調べてみたらこれ、ウォーク・ザ・ラインのパロディなんだって。
まだ観てねぇ・・・。
D.N.A.-ドクターモローの島ー
漂流していた弁護士が救出された島で待ち受けていたのは、人間の遺伝子を動物に組み込んで完全な人間を日夜研究していたノーベル賞学者が住んでいた場所だった。
創造主になりたい科学者、そのイスを狙う若者、掟から開放された獣人。
動物と人間の境目などなくなったこの島で、結局はみな誰かを支配下に置きたい獣でしかなく、力さえあれば誰もが従うと考えていた彼らに、弁護士が放つ一言はこの物語の核心をついていたように思う。
しかしながらその主人公も無力であり、彼らを助けようともそれを拒まれるラストはある意味正解なのかもしれない。
とかなんとかいってますが、前半はまぁ楽しめたが、反乱が起きてからはもはや主人公が何とかこの状況を打破しようとかって話ではなく、獣人たちの反乱を見守るしかないうお飾りに過ぎず、また科学者とその右腕も主人公を襲ってこないし狙ってこない、むしろ殺されちゃうってなんかもうお話として色々無理矢理感があるというか。
せっかくマーロンブランドがイモータンジョー張りに白塗りで出てくるのになんだこの扱いは。
まぁ好きな人は好きなんだろうなぁ。
この手のテーマならもっとやりようがあるはずなんですけど。
「猿の惑星」にも通じる内容だった気はします。
怪談
小泉八雲原作の「怪談」の中から「黒髪」、「雪女」、「耳なし芳一の話」、「茶碗の中」の4つの話をオムニバス形式でつづった古典ホラー映画。
まず上映時間が180分と長いけど、4つの話なので意外と切り替えて見られるので、集中力のない人でも楽しめることは大きい。
そして肝心のホラー要素は、いわゆる効果音や迫力ある描写で怖がらせるようなものではなく、こわっ!!みたいなインパクトのあるものでもなく、じわっと「わ・・・」っとなるような背筋がぞくっとなるような怖さを堪能できる映画でした。
怪談だけあって人の話を聞いて、うわぁ~聞くんじゃなかったなぁ位のレベル。
音楽が効果的。ひたすらベンベンベンと三味線だか琵琶だかが鳴ったりガラス引っかいた音みたいなのがえらく耳に不快感を与えてくれます。
また舞台も全部スタジオ撮影。ずいぶん広い場所で撮ってるなぁと感じる奥行きで、その上に大きな目玉があったり、この世の空とは思えない業火で染まった空があったり、今にも凍えそうな吹雪が舞っていたり、とにかく大掛かり。
一応好きな部分は、どんどん劣化していく三国連太郎、ひたすら目を大きく開けて固まる仲代達矢、なかなかのいがぐり坊主な中村嘉葎雄など。
こういう映画で役者の若いころを楽しめるのは毎回楽しい。
とまぁ大きな衝撃もなく気味悪いなぁ程度でみていたら、一番最後が一番びっくりする怖さ。
でも最初だけで何度かそこだけみたらだんだん笑けてきたw
十一人の侍
館林藩主の身勝手な振る舞いに主を殺され訴状を送るも、将軍の弟という立場から逆に取り潰しに追い込まれる。
そんな幕府の対応に怒りを露にした家老が、命を張れる侍たちを集め敵討ちを計画する。
「十三人の刺客」の工藤栄一監督作品。
刺客とほぼ同じプロットで構成されたお話ですが、端的に言えばこちらのほうが好き。
主人公仙石隼人演じる夏八木勲が命をかけて使命を全うしようとするあまり、周りの近しい人物たちが次々と命を落としていく。
そしていざ計画実行しようとするやいなや、急に実行中止の命が下る。
残りの侍は悔しさを露にしますが、仙石はそれでも歯を食いしばる。
自分のために命を捨てた妻や義弟のことを思うと、是が非でも実行したかったに違いない。
こう主人公がどんどん追い込まれていく、なんとしてでも敵討ちを取るという流れによって、彼を応援したくなる、その分バカ殿に腹が立つ。
という具合に感情が高ぶってくるので、非常に楽しく鑑賞できました。
まぁ色々突っ込みどころはあるんだけど、それは忘れておきましょう。
家
夏のバカンスを過ごすために田舎にある古い豪邸を訪れた一家に、少しずつ不可思議な現象が起きていく。その原因はこの古い「家」にあった。
2019年1発目に選んだ今作。
基本ホラーが苦手な僕ですが、こういうテイストのホラーなら大丈夫だ、ということに気づいた今作。
要は驚かせる描写やゴア描写がいやなわけで、この映画にはそういうのはほぼありません。
しかしながら終始薄気味悪さが付きまとう、また誰も救われないという点も含めて、見終わった後は決して清々しくなりません。
あ~・・・うわぁ~・・・って顔をしかめてしまうくらい。
是非この後味の悪さを感じてほしい1本です。
イメージとしては「シャイニング」や「悪魔の潜む家」なんかを連想されお話でして、この家に住みはじめたとたん、親父は子供をプールで執拗にいじめたり幼少期のトラウマが再発。母ちゃんは条件として言われた寝たきりのばあちゃんの面倒を見ることを最優先し、家族をないがしろにしていく。
おばちゃんは寝ても寝ても眠気が治まらずどんどん体を壊していく。
とまぁどんどん家によって狂わされていくわけですが。
家が脱皮したり、枯れた花が次第に咲いてくといった、家が生きているように見せるアイディアが凄く面白いです。
オチも序盤のセリフを理解していると、ものすごく薄ら寒く感じるラストになっているので是非。
暗殺
百姓の出から脱藩し何も後ろ盾がない中で、頭のキレのよさ、剣の腕前、そして口のうまさを巧みに使い、幕府に仕える身にまでなった男・清河八郎の半生を描いた時代劇。
後に新撰組として生まれ変わる浪士組を結成したことで有名で、僕も大河ドラマ「新撰組!」やTVドラマ「竜馬におまかせ」といった三谷作品で彼の存在は知っていました。
特に竜馬のときのイメージが強く、清河八郎という男は、姑息でずるがしこいやつ、とばかり思っていました。
しかしこの映画では、奇妙なり八郎といわれるセリフの通り、腕裁きは抜群だけど、人を斬ったら取り乱すし、そのくせ弁が立つし、幕府につくかとおもった京都行って朝廷からお目付けもらうし、結果清河幕府を俺は作る!とかロマンチストな部分も見せる。
この一筋縄ではないかない役を丹波哲郎が見事に演じていますし、彼の妾である岩下志麻がまぁ色っぽい。
新撰組が好きな自分としては、なかなか興味のあった話だったので、それなりにたのしめました。
人生劇場
大正時代、ヤクザに生きる男と彼らに寄りそう女たちが、不思議な縁で繋がり、情熱的でありながら筋を通すことを貫いた人生を描いた青春大河ドラマ。
加藤泰監督作品2作目の鑑賞となりましたが、これは面白かった。
167分もあるので躊躇していたわけですが、見て損はない。
なんといっても、高橋英樹演じる飛車角が陽気な面も見せれば、恩をしっかり返す筋の通った心意気、その彼を匿ったことが縁で長きに渡って面倒をみる田宮二郎演じる吉良常、兄貴の女に惚れたばかりに逃げるかそれともけじめをつけるか揺れる渡哲也演じる宮川。
この3人がボントー片手にカチコミに向かう姿はもう涙モノです。
昭和のヤクザ映画「仁義なき戦い」では仁義を通す野郎などどこにもいなかったと思いますが、こっちは義理と人情味たっぷりでございます。
なんつうか、恩を受けたらその分返すというね、ヤクザではありますがこれぞ男といいますか。
かっこいいんですよええ。
監督のローアングルも今回キレッキレで、もちろん定点からの長回し。
どっちかというと先日鑑賞した「皆殺しの霊歌」のほうがショットは面白かったんですが、こっちは定点で長回しなのを退屈にさせないように、役者が常に動くってのが目に付いた感じ。
例えば橋の上での飛車角とおとよの件では一旦画面から顔や体が出たり入ったりしたり、瓢吉とお袖がホテルで再会する際は、どちらかがベッドに横たわってるときはどっちかが起き上がっている、で、途中入れ替わったり、みたいに、どっちかの役者が止まったら別の役者が動くことで、カメラが動かなくても動きを見せる工夫になってるんですね。
これ絶対監督の指導入ってるよなぁとわれながら勝手に思っております。
最近の映画でもこの手のパターンありますけど、役者止まったままですからね大体。それでは紙芝居ですよって話です。
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表の顔は保険調査員、果たしてその実態は!60秒でいとも簡単に車をかっさらう凄腕の盗人集団だった!そんな彼らにでかい話が舞い込み急いで車40台をそろえなければならないミッションが下る。その中の1台マスタング「エレノア」が保険が入っていないということで別の車を頂戴しようとするととんでもない展開になっていく!
どうやら主演のH・B・ハリッキーが監督製作主演原案脚本ア~ンドスタントもこなした超ワンマン映画ということで、話はいろいろとっちらかっている印象でしたが、冒頭主演エレノアと出ている通り、あくまでこの映画の主役は人間でなく黄色いスポーツカーマスタングであり、人間同士のいざこざやら関係性やらどうでもいいのだ!と。
俺のカーテクニックを見ろ!とばかりにロサンゼルス中で警察との追いかけっこを、ラスト40分にわたって、これでもか!と見せ付けるんでね~。
ぶっちゃけ長すぎて・・・。
とはいえですよ、相当手間と時間をかけたってのがわかるカーチェイスでして、途中起きてしまう事故やあらゆる場所から車を追っているカメラ、どんどん投入される警察車両、マツダのお店を縦横無尽に駆け回るシーン、などなどカーチェイス好きなら見て損はないエンタメ要素が満載であります。
最後なんて倒れた車でジャンプする際、スローモーションで何回も映しますからね、よっぽどオキニなシーンだったんでしょう。
ただ!俺にとっちゃ長すぎるんだなぁ・・・。
最後警察に捕まってほしかったよw
十三人の刺客
暴君・松平斉昭の愚行に業を煮やした老中は、密かにこの男を始末すべく信頼できる旗本に暗殺命令を下す。
やがて十三人集めた旗本・島田は、相手の参謀との知恵比べをしながらも、参勤交代から帰途する一行を宿場町で迎え撃つ。
三池版の十三人を見ていた僕に、師匠はこっち見てから評価せえ!ということでお借りしたわけですが、残念ながら僕は三池版のほうが面白かった。
なんと言うか刺客たちにドラマ性を感じなかったのが要因。
一応松平に関してはこっちのほうが全然クソ殿なので、こっちに分があるんですが、なんていうんだろうなあ、チャンバラシーンもすごいんだけどただチャンバラにしかみえないんだよなぁ。
先にこっちをっ見ていたほうが良かった部分も見えて来るんだろうけど、もう三池版インプットしちゃったからなぁ。
野獣死すべし
頭脳明晰、スポーツ万能、射撃の腕も一流な優秀の大学院生が、己の目的のために次々と殺人や強奪を繰り返してく姿と、連続殺人事件の犯人を追うために科学的捜査か刑事の勘どちらを使っても手がかりが掴めず苦悩する若手刑事の姿をハードボイルド且つノワールチックに描いた作品。
この先大学を出たとしても安月給で暮らすのがオチだ、と不安まっしぐらな将来に嫌気が指す若者を随所に置くことで、当時のゆがんだ社会情勢が新たな犯罪者を生んでしまったのかもしれない、それは今の警察捜査では到底勝ち目がないのかという問題を突きつける。
ひもじい思いってのはどんどん人間の心を醜く暗くさせ、それを表に出さないよう理性で保っているわけですが、その一線を越えた存在が主人公伊達。
そんな彼が花売りのおばあちゃんに金をやるから歌え踊れと命令し、その金に目がくらみ唄い踊ってしまうおばあちゃんのシーンはこの映画に置いて一番強烈。
その狂った目つきでおばあちゃんを見下す仲代達矢の芝居もゾクっとするし、やっぱり金のためなら何でもやってしまうのかとおばあちゃんの行動を観て考える。
多分金を持てば伊達のような行動をしてしまうのかもしれないし、金がなければおばあちゃんのように命令どおり実行してしまうのかもしれない。
今の僕はそれを見て気味悪く見つめるガヤに過ぎないんだけども。
松田優作版のほうが有名なんでしょうし、あの役作りはインパクトあったし、ラストのリップヴァンウィンクルが不可解でまぁ記憶に残る映画で面白かったですが、こっちもまた違った楽しさが詰まった映画でした。
音楽がBPM速めのジャズで、犯罪を犯すときの緊迫感とか疾走感を現してるし、結末も余韻を持たせて終わらせるのもいい。
あえて突っ込むとすれば、銃殺しても血が流れないのと、ヒロインがブスということでしょうか。
どう考えても白川由美のほうがヒロイン向きでしょうに。
反逆児
織田家側についた徳川家康の長男であり、また今川義元の銘にあたる築山を母に持ち、さらには織田家の娘徳姫を妻に持つ、岡崎三郎信康の悲劇を描いた時代劇。
反逆児という言葉から、これは何やら一人の侍が若さとかパッションとかで突き進んでいく一大活劇なのかな、と思ってみましたが、とんでもねえ。
血筋とか家柄とかのせいでひたすら苦悩にあえぐ男の悲しい物語じゃねえか。
そんな期待とは全く違う作品に、ケチとかつけてるわけじゃありませんが、ちょっと拍子抜け。
しかし、中村錦之助(中村獅童のおじちゃんね)ある意味オーバーすぎやしねえか?とも思ってしまうほどダイナミックな演技、からのシュンとなってしまう一面、そしてあらゆる全ての事情を飲み込んだ男の覚悟に、これは1本取られましたでござる。
織田につぶされた恨みが相当根深い築山の母ちゃんは、夜な夜な祈祷師呼んで、生まれてくる子供死ね!と五寸釘をわら人形に打ち込むし、その標的である信康の妻徳は、織田家に生まれたプライドが高じて、夫に「アタシ我慢してんだけど」とか抜かすし。
そりゃあ板ばさみで別の女に手を出してしまうわなぁ。信康。
でもお前いくら母の策略でその女が侍女として現れてオロオロして、「ほしいといったが愛しいとは申しておらぬ!」って。
彼もまたプライドの高い人だったんでしょうかね。
とまぁ本人曰くあらゆる家柄の壁に挟まれてもがき、その餌食となってしまう結末に、悲しさとむなしさを感じる作品でした。
劇中馬で男を引きずりまわすシーンがあるんですけど、そんなに何周もやらなくていいじゃんって思った。
影なき狙撃者
朝鮮戦争にて捕虜となった少佐がうなされる悪夢の原因を突き止めるため、捕虜たちを救出し名誉勲章を手にした男に接触を図っていく。
その背後にはソ連や中国ら共産主義がある方法で水面下での侵略を図っていた。
ジョンフランケンハイマー作品3,4作目の鑑賞。
全編モノクロで描かれた今作ですが、色々な撮影方法や演出が目に付く。
公聴会シーンでは手前に中継モニターを置くことで、話しているものと聞いているものを一つのシーンに納めるという手法や、上院議員を射殺する際、もっている牛乳パックめがけて発砲することで、モノクロではわかりにくい流血の部分を見やすくするやり方、そして悪夢のシーンでは、アジサイの講演会を聞いている小隊を映しながらカメラを一周させると場面が変わっている、などなど色々と楽しい発見。
中身は冷戦真っ只中での共産主義の新たな侵略の形を取り入れた政治サスペンス。
小隊を救出した男は確かにやさしく強くたくましく尊敬に値するが、それは本心からいったことなのか、という小さな疑問が頭から離れないフランク・シナトラ演じるマーロ少佐が、何か裏がある、と、ローレンス・ハーヴェイ演じる渦中の男レイモンド・ショーを追及していく。
レイモンドの義父は、母のアドバイスによって共産主義を弾圧する議員として描かれている。明らかに母親の言いなりになっているのと同時に無能さも目立ってきてるのが見て取れます。
そしてあるパーティーで発覚する黒幕の登場には驚きを隠せない。
実際にああやって共産主義者がまぎれて政治をコントロールしていたのか、と考えると一体何が真実で何がウソなのか判断しにくくなる、そんな感覚をこの映画で覚えた。
とりあえずレイモンドの悲劇とクソババァに心動かされる映画でした。
中ソ、マジで怖い・・・。
リメイク版が「クライシス・オブ・アメリカ」だそうで、時間があればそっちもチェックしたい。
大殺陣
徳川4代・家綱の時代。後継者を擁立し、裏で操ることで天下を目論む大老の悪巧みに気づいた軍学者が、一党を組織し暗殺計画に乗り出る。
そこにはこの騒動に巻き込まれた者、兄を殺された者、貧乏御家人、狂信者、 などの何かしら今の世の中に不満を持つ侍たちが集う。
果たして計画は成功するのか。
工藤栄一作品をこれで3作見たわけですが、話の基本構造はどれも一緒で「強権をいいことに好き放題やってるお上様を、弱者が命をかけて成敗する」というもの。
ちょっと今作は頭からあらすじがややこしく感じ、入っていけなかった部分もあるけれど、他の作品とはまた違う楽しさがありました。
例えばカメラアングルで言えば、ふすまの間や戸の間、部屋の影や庭の影、そしてロングショットを多用することで、どこか彼らを覗いてるような視点で見ることができたり、時折下から顔を見上げるような角度もあって、あまりにも「女王陛下のお気に入り」と似ていて、あれヨルゴスランティモス監督これ見てんじゃね?と。
ほかにも貧乏御家人が決行当日、家族にうまいもん食わせて、それを端から見ながらニコニコしていたら、次のシーンで家族が類に及ばぬように自分で殺めるというまさかの切り替えし。
おとうちゃぁ~ん♪ってエコーかけて響かすんじゃないよ、ホラーだよ。
緩和からの緊張ってやつですな。
そしてクライマックスでの決戦は、大掃除中の吉原でこっちの世の中の大掃除だ!とうまいこといいながらもビビりまくりの侍たちが、街で暴れお堀でずぶぬれになり、血まみれになりながらも、命を懸けて無我夢中で斬りかかりまくる姿を、手持ちカメラでブレにブレた映像で見せることで、荒々しく泥臭く血なまぐさく感じる迫力のシーンでございます。
とりあえず細かい思いとしては、みやという女性が大儀のためならと身も心も捧げる振る舞いを見せるも、その結末があまりにも悲しい。
そんな結末にしやがったクソ坊主は、もっとド派手に殺されりゃよかった。
そしてぐうたら侍が最後おいしいとこもってくのがねぇ。
彼が暗殺計画にもっと前に参加してくれりゃ熱いんだけど。
まぁきっかけのおかげで武士の魂に火がついたからいいか。
遠すぎた橋
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連合軍がベルリン侵攻のために オランダからドイツにかけて存在する5つの橋を占拠する「マーケット・ガーデン作戦」を計画し実行、その顛末までの全容を、3時間という超尺と巨額の費用、そして超オールスターキャストで描いた戦争映画。
橋を占拠する作戦に対してのタイトルということと、史実どおりということで結果はまぁ見えてるわけですが、それにしても面白かったです。
まずキャスト。これ誰から挙げりゃいいんだ?
ショーンコネリーにジーンハックマンにマイケルケインにエリオットグールド、ロバートレッドフォード、アンソニーホプキンス、ライアンオニール、ジェームズカーンなどなど。
はい、ココに出てない方今回ではじめて知りました。
これだけのメンツを各師団ごとに散らしてバランスをとっているんですが、この共演だけでも見ていて楽しい。
そして大スケールで描く映像の数々。
戦闘機を何台も飛ばしそこから大量の兵士が上空から降下するシーンや、橋を丸ごと爆破して連合軍の行く手を阻むシーン、大きな屋敷を丸ごと吹っ飛ばす爆撃、マイケルケイン率いる歩兵を阻止しようと敵国がひたすらミサイル撃ちまくるシーンなどなど、とにかくド迫力。
CGのない時代だからこそ味わえるダイナミックな映像がしびれます。
それにしてもお粗末な作戦。
パットンと肩を並べるモントゴメリー元帥の、あまりにも無謀すぎる作戦によって、一体どれだけの兵士が命を失ったのか。
決して霧が晴れないせいでもなく、グライダーが墜落してジープ隊がこなかったのでもなく、無線機が壊れたのでもなく、ボートが中々到着しないのでもなく、上が無能だから大勢の部下が死ぬのです。
真昼間に落下傘とか、しかも着地地点が遠すぎるとか、1本道を突き進むとか、とにかくムチャすぎます。相手にバレバレすぎる。
にもかかわらず、この作戦は90%成功したですって?
このセリフとブラウニング中将の顔を見て、僕もショーンコネリー演じたアーカート少将と同じ顔になりましたよ。
それにしてもロバートレッドフォードかっこいい。
斬る
出生に秘密を抱える一人の武士が行く先々人々にで恵まれるも、運命からは逃れられない結末へと向かっていく悲哀に満ちた物語。
80分にも満たない上映時間ということで、序盤はやや駆け足だったり、育ての父が死に際に真実を語る辺りが実に説明的ではあるものの、全体的に非常に楽しめた。
オープニングが特に素晴らしい。
ある女性の顔を影で隠し、寝床に寝てる女性を天井から捉えた瞬間「お命頂戴いたします」とご乱心。
そこで急にBGMが鳴りタイトルどーん!
そこから怒涛のテンポの良さで淡々と物語が運ばれていく。
この冒頭のシーンでの構図といいますかショットといいますか、どれもまぁキマっておりまして。こういうの見てるだけでも監督のこだわりが伝わりますよね。
そして初めて市川雷蔵の作品を鑑賞したんですが、その佇まいや剣さばき、姿勢を見てるだけで芸術的。運命の子として生まれてしまった彼の重なる不運が徐々に増して、悲哀と強さを兼ね備えたキャラクター像が何より魅力的でした。
大人は判ってくれない
学校での自由すぎる行動に劣等生として扱われ、家では理不尽な叱りを受ける、そんな自分をわかってくれない大人たちによって、行き場を無くしていく少年の孤独な姿を描いたドラマ。
トリュフォーがどうとか、ヌーヴェルヴァーグがどうとかよりも、この作品に出てくる大人たちがあまりにも身勝手で、もうそこが見てられなかった。
子供が悪さをするのは、もしかしたら気を引きたいのかもしれない。休日にいつも家にいない両親の。
なんか尾崎の15の夜を聞きたくなる衝動を覚えた。
とまぁトリュフォーさんの映画ってこういうやつなんだぁ、という感じでぽかぁ~んと見ておりましたが、うん、オレはこういうオシャレなやつは向いてない。
そもそもこの映画をオシャレといって片付けてしまうそのセンスというかスタンスというか、そういうのがもう拒否ってますよね・・・。
とはいえ、街での少年を追う視点、海辺に走っていく少年を併走しながら撮影してるあたりは、ついこの前鑑賞した「ROMA」を思いだしたし、鑑別所へ向かう車の格子からネオンで光る街を見て一筋の涙を流すアントワーヌをはじめ、あらゆるシーンで少年の様々な表情を捉えており、それなりに楽しく鑑賞できたことは事実であります。
というわけで、全21作品鑑賞した率直な感想でございました。
この中で僕のお気に入りは、
- ダーティーメリー&クレイジーラリー
- 人生劇場
- 遠すぎた橋
- 日本の夜と霧
- 影なき狙撃者
あたりでしょうか。
斬るもよかったなぁ。
順番付けられんな。
で、先日、映画野郎の飲み会がありまして。
これ、またおねだりしたら貸してくれっかな?と思ってお願いしたところ、長尺映画は苦手ってことで、ざっと36本!!!!!!!
しかもほとんど上映時間長えっ!
一体いつになったら全作観終わるのか・・・。
さすがに次回は細かく感想アップします。
お付き合いありがとうございました。